情報プラットフォーム 2010年8月号 No.275

特集 土佐・龍馬であい博を活かす!

ジョン万次郎による地域興し 土佐清水市

ジョン万次郎は、日米和親条約の平和的締結への助言や、日米修好通商条約の批准書の交換の為の使節団の一人として咸臨丸で渡米するなどの活躍をしている。しかし…龍馬と比べると知名度は低い。

足摺岬や竜串などの景勝地や温泉郷、第38番札所である金剛福寺、ジョン万ハウスなどで知られる土佐清水市。この土佐・龍馬であい博は、観光客の落ち込みを食い止める大きなチャンスと捉えている。

「ジョン万次郎生家の復元募金や、いろいろなお土産の開発など今まで『やらなければ』と思っていたことが、土佐・龍馬であい博をきっかけに一気に進みだした」と土佐清水商工会議所の藪事務局長は言う。

会期の半ばを過ぎた、サテライト会場の「土佐清水・ジョン万次郎くろしお社中」でも予想を上回る人が訪れている。このチャンスを生かして観光客に土佐清水の良さを伝える商品はできないか? 龍馬博開幕前から、地域では、様々な取り組みが始まった。そんな取り組みの一つが宗田節の活用だ。

日本一の宗田節を生かす

土佐清水の特産品はと聞かれると、「宗田節」という答えが返ってくる。生産量は、全国一だ。この宗田節は、地元に水揚げされる新鮮な宗田鰹「メジカ」を加工して作られる。

ソバやうどんのだしには欠かせない「宗田節」だが『業務用』や『調味料』に加工されて使われており一般の人にはなじみが薄い。「宗田節そのもののおいしさを伝えたい」。そんな思いで開発された商品が、『だしが良くでる宗田節』だ。

コンセプトは、“家庭で簡単に本物の宗田節のだし醤油を味わう”。宗田節を丁寧に成形し小骨を除くなど手間をかけ容器に詰めたものだ。これにお好みの醤油をいれてだし醤油をつくって楽しんで頂きたい。ウエルカムジョン万カンパニーの田中代表は言う。「今は、『土佐清水・ジョン万次郎くろしお社中』や、高知市帯屋町の県産品アンテナショップ『てんこす』などで販売しているが、将来的にはジョン万次郎が渡ったアメリカにも販路を拡大したい」。田中代表の夢は広がる。

他にも、土佐清水・ジョン万次郎くろしお社中で人気が高い、市の第三セクター「土佐食」が製造している「姫ガツオ」がある。鰹より小さいが、おいしい魚であるメジカのイメージアップを目指して名付けられた「姫ガツオ」の商品群は、地域の特産品として定着している。

ゼロ・エミッションを目指す

土佐清水で加工されるメジカのアラに注目した人がいる。

宗田鰹をおろした後に残った頭や骨などはアラとして廃棄処分されていた。このアラに目をつけ、魚粉化し肥料や飼料へと資源転換をしたのが、(有)カネキチの吉永社長だ。

吉永社長は、宗田節の製造を本業としているが、本格的に宗田鰹のアラの魚粉化に取り組みだしたのは約3年前のこと。地元の企業からアラを仕入れ、自社で燻した後、粉末にしている。燻すための「薪」も地元の山から自分たちで切り出すというこだわりようだ。そこまでこだわり抜いて作った魚粉だけに、買い手の見える販売をモットーに、ネット上では販売しない。

この魚粉を使った農家の方からは、作物がよく育つと評判だ。中にはショウガが1.7倍ほどまでになったケースもあるとか。

現在、化学的根拠を得るため、魚粉の成分分析を専門の会社に依頼中だが、この結果にも今後注目していきたい。

観光の活性化で地域を元気に!

宗田鰹以外でも、観光による地域の活性化を目指す土佐清水市では、ジンベエザメやマンボウと一緒に泳ぐことができるジンベエザメスイムやマンボウスイムのようなユニークな体験ができる。「泳ぎがちょっと…」という方は、ホエールウォッチングや星空の観察で心を癒したり、足摺温泉郷で疲れを取るというのはどうだろう。大物が狙える磯釣りのスポットもたくさんある。

土佐・龍馬であい博などをきっかけに、動き始めた取り組みが大きくなることを期待したい。

■ウエルカムジョン万カンパニー
 (株式会社五光商事内)
〒787−0305 高知県土佐清水市天神町6−18
TEL/FAX 0880−83−0085
■有限会社カネキチ 〒787−0308 高知県土佐清水市厚生町8−5
TEL 0880−82−1373 FAX 0880−82−3107
■土佐清水商工会議所 〒787−0323 高知県土佐清水市寿町11−16
TEL 0880−82−0279 FAX 0880−82−2530