情報プラットフォーム 2011年1月号 No.280

特集 ニッチトップ企業

高知から世界のウオーターフロントを目指して株式会社 SKK

設立からまもなく55年。世界の海で活躍する舶用クレーンを生産している企業が高知にある。高知市横浜の本社に(株)SKK代表取締役である刈谷光昭氏を訪ね、お話しを伺った。

創業

(株)SKKの前進である(株)四国建機は、高知で使用する浚渫用の作業船を製作すること等を目的に設立されたという。

当時、高知県内には浚渫船を持った企業はなく、海洋工事となると、県外から、高いチャーター料を出して船を借りていたという。

昭和31年8月。従業員9人のスタートであった。

重労働からの解放

創立当初の(株)四国建機の主力は、建設が進む各地の工事現場で必要とされる砂利を海洋で採取するためのクレーンの製造であった。砂利の採取は重労働で、「砂利採取用海上クレーン」は、砂利採取の革命ともいわれた。各地での道路整備などの社会資本の整備の必要から大量の骨材となる砂が必要となり、同社のクレーンは全国的に広まっていった。

新技術の開発・導入

昭和40年代に入って各地で臨海工業用地の造成が盛んになり、クレーン船の大型化が求められてきた。また、砂利採取用等を目的としていたクレーンも、浚渫作業、くい打ち作業など多目的の作業を行うことが必要となってきた。

オイルショックや大手の参入など、苦しい時期もあった。そのたびに、ユーザーにより使いやすいという視点で、国内の様々な技術を導入し商品の開発を続けたという。この苦しい時期の関係者の協力、そして社員の努力が現在の基礎となっていると確信しているという。

国内では、全国の港湾や漁港などの整備が進んだことや公共事業が減少したことなどにより市場規模が縮小している。

このため、同社では早くから海外にも目を向け、昭和49年の中国を皮切りに、遠くは、キューバやエジプトにも輸出を行っている。

技術の高度化

公共事業も発注方法が変わり、新たな技術提案が求められる時代になってきた。

工事を行う企業と連携し、新しい価値が提案できるような作業船の性能向上が求められている。

同社では、作業船の海上での位置出しにGPSを使用するとともに、スパット(杭)機構により作業船を指定場所に固定することで、浚渫作業が30㎝単位で行えるまでに精度を向上させた。併せて、土砂を採るための手となるバケットには、海底への衝突を防ぐ減速機構を組込み込むなどにより、きめ細かい作業も可能にする研究開発などを行い、他社との差別化を図ってきたという。その技術力は、関西国際空港、香港の海上空港、羽田新空港工事での同社作業船の活躍につながっている。現在では、国内で使用されている大型の舶用クレーンの90%以上は、同社の製品となっている。

今後の事業展開

同社では、「これからは、国内市場は、環境関連の製品が伸びていく」と考えている。二酸化炭素削減に繋がることで注目されている原子力発電所では、大量に必要となる冷却水を確保するために必要となる取水口工事に同社製の海洋作業船が利用されている。

既に海外では取組が始まっている海洋への風力発電施設の建設。

例えば、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の海洋風力発電の研究が進めば、これも夢ではないと考えている。その時には、その大型プロジェクト事業にも参画できるように、特殊で大型の新しい機械の開発にも挑戦したいと意欲的に語ってくれた。

自社製品のエネルギー削減の取組も進めていて、グラブを降ろす際のエネルギーをキャパシタで蓄電し、引き上げ時にそのエネルギーを再利用する作業船の開発も目指している。

海外展開も大きな戦略の一つ。11月には、高知県が主催した「フィリピン経済ミッション」にも参加している。「これからは、ベトナムなどにも興味があるので県のシンガポール事務所との連携を図っていきたい。まず製品の存在を知ってもらうことが大切」。東南アジアの油田開発に使用するクレーン船などとして販売増加を目指し、各国の港湾庁の会合などで製品の良さを紹介していきたいという。

「使う人の身になって」を合言葉に、一台一台を完全受注生産で行い、創業から今日までクレーン船一筋に研究開発を行ってきた(株)SKKは、今後の困難にもその技術力を持って立ち向かっていくことだろう。

■株式会社 SKK ●高知本社 〒781-0242 高知県高知市横浜西町1-3
TEL 088-841-2233(代) FAX 088-842-4023
URL http://www.skk-crane.co.jp/