情報プラットフォーム 2012年2月号 No.293

技術・アイデア活用 特集

都会にないものを高知で作る。高知で作って商品が活きてくる有限会社 横山製麩所

高知駅の近くで、こだわりのお麩(ふ菓子・生麩・焼き麩、麩まんじゅうなど)を製造・販売している㈲横山製麩所。昭和23年創業の老舗ということもあり、どことなく懐かしさを覚える店構え。入り口には良心市のように、「ふ菓子」や「お麩」が並び、「料金箱」も設置されている。お話をうかがっている時にも、近所のおばあちゃんが慣れた感じでお麩を手に取り、料金箱へお金を入れていく姿にこの製麩所とご近所との繋がりや歴史を感じた。そんな中で、同社はお麩の製造技術を活かして、高知にしかないもの、高知でしかできないものにこだわっている。横山明代表取締役にお話を伺った。

こだわりの商品

昨年末、この製所のショーケースに縁起ものの「お正月用の生𤿲」が並んだ。まるで和菓子のように繊細に作成されたとてもかわいらしい細工生は、夫婦二人での手作りだそうだ。28年前に京都で習い、その後、毎年年末に制作している。「手間暇はかかるが、この生𤿲を毎年楽しみに購入していくリピーターも多く、その方々の喜んでくださるお顔を見ることが楽しみです」と笑顔の横山社長。

「日本のおいしさ伝えます」をキャッチフレーズに、柚子、しょうがなどの土佐の特産品や四万十川源流の湧き水など良質な素材にこだわり製品づくりを行っている。どこに出しても通じる恥ずかしくない商品を心掛けているという。

有限会社横山製𤿲所 横山明 代表取締役最近、イチゴの「ふ菓子」が仲間に加わった。夫婦で香美市香北町に出向き、複数のイチゴ農家のいちごを食べ、その中から農家を限定し、大きさも小粒のジャム用のものではなく、中粒の味が良い熟れているものを限定。試行錯誤の末、こだわりの1品ができあがった。

また、商品には香料を使用していないので、包装について工業技術センターに相談し、天然素材そのものの香りが抜けにくいような製袋にしたり、脱酸素剤を多めに入れるなど目に見えないところに気を配っている。

高知で作る

づくりを行っているところは高知県内ではここ横山製所だけである。四国でも数軒しかないそうである。大量生産する大手メーカーでは安く商品を提供できる。価格だけで見ると勝負はなかなか難しいが価格だけではなく、商品の中身やストーリーにニーズがあり、「都会に背を向け、都会にないものを高知で作る。そして、都会で売る。高知の自然に恵まれ育った特産品は高知で製造してこそ意味があり、商品が活きてくる」と横山社長は言う。

商談会の活用

以前は県内のスーパーや店頭販売のみであったが、現在ではインターネットでの販売も行っている。しかし、今、一番力をいれて取り組んでいるのが「商談会」への参加だ。

「商談会」へ参加しても、その場で商談まで結びつくことは稀であるし、ほとんど無いという。しかし、「食の大商談会」、「中四国ビジネスフェア」「大阪買いまっせ、売れ筋商品発掘市」「食品輸出商談会」「スーパーマーケット・トレードショー」などチャンスがあれば積極的に参加をしている。その場では名刺交換するなど、たくさんの種をまき、人とのネットワークを作る。県内企業との連携をとればその人とのつながりで、新たな販路が開かれる場面もあり、またその逆の場面もあったそうだ。何年もずっと続けて商談会に参加することで、バイヤーと信頼関係もでき、数年後に商談に結び付く例もある。

つながり

「ひとりだけの力では限りがあるし、待っていてもチャンスは来ない。何がきっかけになるかわからないし、チャンスは思わぬところに転がっている可能性がある。「みんながセールスマン」。県内企業のつながりを大切にしながら、お互いの力を借りながら、チャンスをつかんでいきたい。」

人とのつながりを大切にしながら、昔から変わらないこだわりの商品を作り続けている。技術と伝統を継承しつつ、高知発のこだわりの商品を全国に広げて活躍されることを期待したい。

有限会社 横山製

〒780-0051 高知県高知市愛宕町2丁目15-11
tel.088-872-3670 fax.088-872-3344
URL http://www.futomi.co.jp/